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「肥満」とは、はやく言えば太っているということですが、医学的には脂肪が一定以上に多くなった状態のことをいいます。
人のからだはさまざまな物質でできているのですが、おおまかには、水分と、筋肉に多い糖質とたんぱく質、骨に多いミネラル、脂肪でできているといえます。肥満というのは、このなかの脂肪の割合が多すぎることなんです。だから、体重が重くても、筋肉や骨の割合が多い人は脂肪は少ないので、肥満にはなりません。
現在、肥満の判定は、身長と体重から計算されるBMIという数値で行われています。これはBody Mass Index(肥満指数)の略です。日本肥満学会が決めた判定基準では、統計的にもっとも病気にかかりにくいBMIは22を標準とし、25以上を肥満として、肥満度を4つの段階に分けています。
BMIのもとめ方

日本人の間で急激に増えている糖尿病、高尿酸血症や痛風、脂肪肝、 膵炎なども、肥満との関わりが深い病気です。肥満は脂肪があちこちについてることから、「睡眠時無呼吸症候群」という症状になることもあり、命にも関わることもあります。また、肥満しても骨の太さはほとんど変わりませんので、体重が骨や関節によけいな負担をかけてしまい、腰痛や関節痛の原因となることも多いのです。
太りやすい体質と太りにくい体質
同じ体格でもよく動く人は当然使うエネルギー量が多いので、太りにくいってことですが、それ以外の場合で、よく食べるのに太らない人には、二つの体質が考えられます。一つはせっかく食べたものを十分に消化吸収できない体質ということ。もう一つは基礎代謝量が大きいタイプです。
基礎代謝というのは、命を保つために最低限必要なエネルギーのこと。何もしないで横になっていても、呼吸したり、血液を循環させたり、体温を一定に保ったり、内臓を動かしたりするために使われるエネルギーです。
基礎代謝量は、年齢や性別による差や、個人差があります。基礎代謝量が大きい人は、食べたものを、ためこまずにエネルギーにして使っていくので、よく食べる割には太らないのです。
肥満は遺伝するのか?
遺伝だけが原因とは言えないようです。
普段家族が一緒に暮らしていれば、食べる量や食事の好み、食べ方などの食習慣はもちろん、運動ぎらいなど、ほかの生活習慣も似てくるのは当たり前だからです。つまり、遺伝が原因の肥満はごくわずで、重要なのは遺伝よりも生活習慣が大きいようです。

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